6日目 2025年4月14日(月) 屋久島
起床して、朝飯をすぐに食べる。今日は屋久島を時計回りに走り、宮之浦へ向かう80km超の長距離ライド。午後から雨、昼頃から風が強まる予報になので早めに出発する。
5泊お世話になった「もりちゃんハウス」も今朝で引き払うので荷物をまとめて、1階へ降りる。宿のご主人はまだ寝ているようだ。挨拶したかったが、そのまま宿を出る。
6:53 宿を出発。
屋久島南岸
外は気持ちの良い晴天で、風も穏やか。「本当に天気が崩れるのか?」と疑うほどの好天だ。
県道77号線を南へ進む。4日前に千尋の滝やトローキの滝は訪れたので、次に立ち寄る予定は島南西部にある「大川の滝」で、しばらくは景色を楽しみながら、のんびりペダルを漕ごうと思う。
途中、子供たちが集まる場所を通り過ぎる。制服を着ている子もいるのでスクールバスを待っているのだろう。
7:33 麦生の集落に入る。
前方に尖った山が見えてきた。写真を撮り、どこの山か調べてみると、位置的にモッチョム岳のようだ。宿の主人から「屋久島で一番キツい(難易度が高い)山はモッチョム岳だ」と聞いていたのを思い出し、「やっぱりあれか!」と納得する。

2日目の滝巡りで通った道を越え、初めての道へ入る。
尾之間の街を過ぎると、左手に海、右手にはくっきりと山や森が見え始め、素晴らしい眺望が広がる。

8:44 平内海中温泉の入口を通過。「海中温泉なので、波打ち際にあるのかな?」とかなり興味を抱いたが、先を急ぐ。
9:03 回廊パーク黒崎公園に到着。
トイレ休憩。ここまで風も強くなく、天気も良好だ。念のため天気予報を確認するが、特に変化はない。
9:09 回廊パーク黒崎公園を出発。
ここから進路は北西へ。
中間の港まで降りてくると、海の向こうに島影が見えてくる。「あれは口永良部だろう」と確信する。
9:23 新栗生橋に到着。
橋を渡っていると、ふとある記憶が蘇る。「あれっ?ここ『水曜どうでしょう』で釣りバカ対決やった場所じゃね?」
橋の袂まで戻り、ネットで調べるとビンゴ!この新栗生橋こそ、『水曜どうでしょう』で深夜の釣り対決の舞台だった場所だ。ちょっと興奮しながら記念撮影。ちょうど橋を渡っていた若い女性には、何をしているのか不思議に思われたかもしれない。

橋を渡ると、バスの転回場があり、バスが1台停まっている。ここが路線バスの終点で、集落もここまでなのだろう。この先はいよいよ西部林道だ。後ろを歩いている女性も、きっとこのバスに乗るために橋を渡っていたのだろう。
大川の滝
森の中の道を進み、しばらくすると「大川(おおこ)の滝」の案内板が見えてきたので右折する。
9:44「大川の滝」に到着。
大川の滝は「日本の滝100選」の一つで、落差は屋久島最大の88mを誇る。落差だけでなく、二筋に分かれて流れ落ちる様は幅広く、圧巻だ。間近で見ることができ、水しぶきが飛んでくるほどの豪快さ。でも、観光客は私以外誰もいない。この迫力ある滝を独り占めできる贅沢な時間だった。

西部林道サファリパーク
9:49「大川の滝」を出発。
県道78号線を上っていくと、前方の路上にサルとシカの群れが現れる。ヤクザルとヤクシカだ。ヤクシカは近づくと逃げていくが、ヤクザルは悠然と路上に座ったままだ。刺激しないよう、少し離れて通り過ぎる。
その後も、路上で日向ぼっこをしたり、毛繕いしたりしているヤクザルの群れに何度か遭遇する。中には、私に向かって威嚇してくるサルもいて、「あれはボスザルか?」と思い、距離をとってその場を離れる。西部林道はもうサファリパーク化している。


道は徐々に勾配を増し、ヘアピンカーブも現れて高度が上がっていく。口永良部島もさらに近くに見えてくる。片側1車線だった道幅も1.5車線になり、小さなカーブとアップダウンの連続で、車がすれ違うのが難しい本格的な山道へと変わる。眺望もなくなり、ひたすら上り続けるだけだ。

天気も雲が増え始め、だんだんと風が強くなってくる。「予報通りだな」と肌で感じる。
次は屋久島灯台に立ち寄るつもりだが、風の強さが気にかかる。今は山中の森の中なので風はそれほどでもないが、灯台は吹きさらしだろう。
そんなことを考えながら走っていると、前方からリュックを背負った白人の若い男性が一人歩いてきた。「うわっ、これから天気が荒れる予報なのに西部林道を歩いていくのか!」とちょっとビックリする。でも外国人にはありがちな感じだなと思ったりする。
入口には三角ポールが置かれ、「車両通行できません」の貼り紙がある。「そういえば、パンフレットに通行できないと書いてあったな」と思い出す。
「崖崩れだろうか?」とりあえず行けるところまで行ってみることに。風はかなり強くなっていて、「ピューピュー」と音を立てている。
結局、崖崩れもなく無事に到着できた。写真を撮ってすぐに出発。次は永田いなか浜を目指す。

海の見える道に出ると、遠くに綺麗な白い砂浜が見えてきた。「あれだな」と目的地を視認する。
目の前に現れたのは、位置的に永田前浜だろう。美しい砂浜だが、まだ4月なので人影は全くない。

11:53 永田公園に到着。
永田いなか浜の場所と雨雲レーダーを確認。いなか浜はこのすぐ先で、雨はまだ大丈夫そうだ。
すぐに公園を出発。歩道から排水溝の小さな段差を越え、車道に出たところで後輪に「ぐにゃり」とした感触が。
「あっ、これはヤバいやつかも…」と直感し、すぐに止まって後タイヤを押してみると、簡単に凹む。「ああ〜〜、パンクだ〜〜〜、こんなところで〜〜〜」とガッカリする。
チューブ交換のため、永田公園の駐車場に戻る。風がビュービュー吹いているので、風よけがないか辺りを見渡すが、充電スタンドの影しかない。「しょうがない。ここでやるか」と覚悟を決める。
駐車場には車が1台だけ止まっていて、中で女性が何か食べている。雨が近づいているので少し焦るが、風の影響もなく順調に作業を進め、チューブ交換を完了した。
12:27 永田公園を出発。
すぐに永田いなか浜の横を通るが、パンクで時間をロスしたため、今回は通過することに。
12:59 東シナ海展望台に到着。
もう完全に曇天になったせいか景色も今ひとつなので、写真だけ撮ってすぐに出発。
13:09 一湊の集落にある「西郷隆盛上陸の地」の石碑を通過。

宮之浦
13:45 宮之浦の街に入る。
「ヤクデン」というスーパーを発見し、ここで買い物をして宿に向かうか考える。Googleマップを調べると、宿の近くにコープがあるので、ここはパスして宿へ直行することにする。
13:58 宿に到着。
今日の宿は「 民宿 アース山口 」。パンクがあったものの、予定の時間通りに宿に着けた。そして、宿に着いた途端、雨がパラパラと降り始めた。雨が降り出したので屋根のある場所に自転車を停めたいが、建物の軒下しかない。「しょうがない、ここに停めよう」と自転車を置く。
宿に入り声をかけるが誰も出てこないので電話をかける。するとすぐに宿の人が来て、宿代を払い、部屋や設備の説明を受ける。部屋は6畳の和室で、トイレとお風呂は共同。洗濯機や冷蔵庫、キッチン、離れにある電子レンジも共同で使えるとのこと。洗濯機が無料で使えるのは非常にありがたいし、宿泊料金も格安(素泊まり1泊¥3,800)だ。
外はもう土砂降りで、時折雷も鳴り響く。ちょうどいいタイミングで宿に着いたが、買い出しには行けなくなった。雨が止んでから行くことにする。
16時過ぎに雨が止み、雨雲レーダーを見てもすぐに雨は降りそうにないので買い出しに出かける。外に出ると駐車場にデカいバイクが止まっていて、持ち主さんが雨で濡れたバイクを拭いている。自分の自転車もかなり濡れているだろうと覚悟していたが、意外にもほとんど濡れていなかった。
明日のトレッキング用を含め、Aコープで食料を買い込み、郵便局でお金を下ろす。
16:54 宿に戻る。
シャワーを浴び、洗濯をして、キッチンでお湯を沸かしていると、おじさん(おそらくバイクの持ち主さん)に声をかけられる。
おじさん:「今日、(屋久島に)来られたんですか?」
自分:「いえ、4、5日前に来ました」
おじさん:「あっ、そうですか。昨日は船も飛行機も全部止まっていたので…。もう全部回ったんですか?」
自分:「だいたい回りました。明日、白谷雲水峡に行くくらいです」
おじさん:「あー、自分もあそこに行ってきたんですが、初心者用の軽いコースだと聞いてたけど、かなりキツかった。明日は縄文杉に行くつもりなんです」
自分:「縄文杉は一昨日行ってきました。距離は長いですが、ほとんど平らなトロッコ道で、山道は2、3割くらいでしたよ」
白谷雲水峡にはまだ行っていないが、パンフレットなどを見ると縄文杉に比べたら確かに軽いコースだと思う。あのおじさんが縄文杉に行けるのか、少し心配になる。
部屋に戻って晩飯を食べ、明日のトレッキングの準備をする。明日の白谷雲水峡へは、宮之浦か小原町からバスに乗って入口に向かおうと考えている。宮之浦のバス停はわかるが、「小原町ってどこだ?」と疑問に思う。
Googleマップで探すが、バス停が出てこない。バスは、宮之浦バス停のある県道77号線から白谷雲水峡の入口がある県道594号線に入るはずだから、その交差点付近ではないかと思う。だが、ストリートビューを見てもバス停はない。
ネットで検索して、ようやく小原町のバス停を見つける。県道77号線から一本、内陸側に入った宮之浦川にかかる橋を渡ったところにある。小原町から午前8時15分発のバスに乗ろうと思う。
帰りは白谷雲水峡13:45発になるだろう。時間に余裕があるので、戻ってきたら屋久島空港までの往復を自転車で走り、実質の屋久島一周を完成させようと思う。ただ、明日も風が強いらしいので、そこだけが少し気になる。
寝る。
走行データ

・走行時間:5h57m21s
・走行距離:81.92km
・平均速度:13.7km/h
・最高速度:41.3km/h
旅の費用
・宿代 :¥3,800
・飲食代:¥1,518
合計 :¥5,318
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